戸隠山 戸隠奥社〜戸隠牧場縦走コースマップ      戸隠山 HomePage→

戸隠奥社〜戸隠牧場縦走コース
 奥社から戸隠山主峰を通り一不動まで辿るコースは九時間前後を費やし、特にナイフエッジの蟻ノ戸渡り
や剣ノ刃渡りでは、すれ違いが出来ず、体力的にも技術的にも初心者の日帰りは無理があるのでここでは奥
社から蟻ノ戸渡り直前まで行き、往路を下山するコースを説明する。また縦走する場合、ガイドブックに記
した「蟻ノ戸渡り」を通過する時間はあまり参考にならない。
 奥社入口から石橋を渡り、大きな鳥居を潜ると杉並木が鬱蒼と茂る参道が奥社に向って真っ直ぐ延びてい
る。参道中間付近には随神門(ずいじんもん)があり、森林植物園からのコースと合流する。直線の参道は更
に奥社まで続く。奥社手前百メートル程の左手に最終トイレがあり、奥社はこのコースの最終水場となる。
 社殿前を左折するといよいよ登山道に入る。主尾根までは眺望のまったくない潅木林の中のジグザグ急登
が続く。登山道脇に大岩がある辺りが尾根出会いとなる。岩に登ると樹林の切れ間から飯綱山と中腹のゲレ
ンデが展望できるのでここで小休止しよう。大岩を過ぎると長い急傾斜は無くなるが、戸隠山らしい岩塊の
道が現れる。二箇所の鎖場を越すと右前方に岩壁が横に抉られオーバーハングの岩窟五十間長屋に辿り着く。
 岩壁越しに戸隠山の険しい岩稜線が間近に迫ってくる。岩窟の下は広地になっている休憩適地だ。五十間
長屋から左に巻きながら緩やかな草地を行くと「百間長屋」に辿る。五十間長屋と同様、オーバーハングの
岩壁の下には石仏が数体祀ってある。百間長屋周辺には珍しい高山植物が多いのも特徴だ。左側が落ち込む
沢を横切り、右手頭上の岩窟に祠がある「西窟」を過ぎると最初の難関20m鎖場がある。鎖場を登り切った
所が「天狗ノ露地」で西岳の稜線と眼下遠くに鏡池が展望できる。
 いよいよ急登の岩稜線が始まり、まずいつも湿っている沢状30m岩場、右側が谷に落ちている「見返り岩」
を登り、斜度70度程ある「胸突き岩」へと急登攀が続く。胸突き岩を登り切ると眼前に「蟻ノ戸渡り」「剣ノ
刃渡り」の稜線が立ちはだかる。この峻険な岩稜を見るだけでも戸隠山の醍醐味が味わえられるだろう。
 下山は往路を戻るが岩稜の下降は登りより時間を費やしここ戸隠山での転落や滑落事故は下山時に多発し
ている。怪我だけでは済まない事を認識し慎重に下山。

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