糸瀬山 菖蒲平コースマップ      糸瀬山 HomePage→

菖蒲平コース解説
登山届箱のある向かい側に標高840mと記されている登山口道標と短いアルミ製階段がありここか
ら山中へ入る。鬱蒼とした杉林は昼でも薄暗く、緩やかなターンを幾つか繰り返しながら枝尾根に取
り付く。勾配もこの辺りからきつくなってくるが、ほどなく尾根鞍部の松原ヨコテに辿り着く。ここ
は現在利用されていない西尾根直登の旧登山道との合流地になっており、左折した先の小ピークには
三角点石柱がある。糸瀬山へは右屈曲し、広い平坦道を暫く進むと左側に谷が見えてくる。谷底裾が
イチョウの葉のように広がっているところからイチョウ谷と呼ばれているらしい標示看板がある。
イチョウ谷を過ぎると最初の急登が始まる。150mほどの短い距離だが、胸突き八丁と呼ばれる急
坂でトラロープも設置されている。ここを登りきると主尾根に取り付き、丸屋ノ鳥屋跡の平坦地とな
るので小休止しよう。鳥屋場を過ぎるといよいよコース核心部でもあるマムシ坂の長い急登が始まる
が、適当な休憩地もないのでここはゆっくりと標高を稼ぐしかないだろう。急登の途中露岩が現れ、
ヤセ尾根の登山道となる辺りはちょうどイチョウ谷の源頭付近で四ノ谷の標示板が掲げてある。左側
に幹が空洞になっているミズナラ巨木が立ち、ほどなく針葉樹林帯に入る。400mほど続く針葉樹
林帯を抜け、平坦道になった辺りが1600m地点だ。倒木を潜り、岳樺林が現れるとコース一番の
ビューポイント白砂の崩落地「青ナギ」に辿り着く。今までの疲れがいっぺんに飛んでしまう場所で
中央アルプス空木岳から南に連なる山々が間近に展望できる。しばし休憩したら先に進もう。糸瀬山
山頂まで15分とかからないだろう。山頂は針葉樹林に覆われ、苔生した岩塊群となっている。展望
地と記されたプレートを左折し20mほど先の大岩を右に回りこんだ先の岩上に二等三角点石柱が埋
め込んである。先の展望地からは木曽谷の一部が見えるだけで、山頂からの眺望はまったくないのは
残念だ。山頂からさらに北東へ30mほど行くと「ノロシ岩」と呼ばれている高さ10mほどの巨岩が
ある。アルミ製梯子とクサリが設置され、岩頭に立つと東方面には青ナギで見ることが出来なかった
中央アルプスの北半分も見られ、西方面には御岳、乗鞍岳、穂高連峰まで眺望出来る。しかし岩頭は
一人立つのがやっとの狭さで、さらに登ったはいいがホールドの無い下降はかなり危険だ。恐怖感で
躊躇するようだったら登らず、青ナギまで戻り休憩したほうが懸命だろう。

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