白馬岳 大雪渓コースマップ      白馬岳 HomePage→

大雪渓コース解説
白馬岳を目指す登山者の半分以上が利用する大雪渓コースの登山口は猿倉。ここには駐車場のほかト
イレもあり猿倉荘では雪渓用の軽アイゼンも置いてある。登山届けを出し準備が終わったら出発しよ
う。猿倉荘の裏手からブナ林の急坂を登りきると作業道に出る。ここから平坦な作業道は白馬尻近く
まで続く。白馬鑓温泉分岐を過ぎた辺りから右前方に白馬岳から白馬乗鞍岳に続く稜線が見え、初夏
ならば小蓮華岳稜線の山腹に代掻き馬の雪形を見ることができる。長走沢の桟橋を渡り終えしばらく
すると作業道も終点となり雪渓からの支流を幾つか越える道は登山道らしくなってくる。最近になっ
て木製の桟道を設置したため以前より歩き易くなったが、シラネアオイの咲く時期はこの辺りまで雪
渓末端が延びており慎重に歩かなければならない。20分ほどで山小屋が建つ白馬尻に辿り着く。白
馬岳へはこのまま直進するが、ここを最終地として散策するならば、大雪渓対岸(左岸)に渡るのも
良いだろう。対岸のテント場を過ぎた辺りの低木樹林帯にはシラネアオイの群生地があり、サンカヨ
ウやキヌガサソウなど高山植物が見られる。
大雪渓取り付きから見た目より長くきつい斜度の雪渓登攀が始まる。雪渓は広いが赤マーカーのトレ
ースを外さないよう常に上部を注意しながら登ろう。雪渓の落石は岩の大小に関係なくほとんど音も
なく落ちてくる。特に盛夏、上空の気温が上昇し雪が蒸発する時ガスが発生することが多いので、や
はり午前中の早い時間に大雪渓を登りきるようにしたい。
大雪渓が終わると葱平(ねぶかっぴら)となる。以前は地名の由来となったネギの仲間シロウマアサ
ツキが群生していたのだが、最近はその数も減少している。しかしここも高山植物の宝庫でイワギキ
ョウやミヤマキンポウゲ、ヨツバシオガマを始め、たくさんの高山植物にお目にかかれる。下山の時
間も考慮して葱平で十一時を廻っていたらここで下山したほうが良いだろう。葱平から小雪渓を過ぎ
二時間ほどで稜線直下のお花畑に辿るが、この辺りがもっとも疲れる場所だ。稜線に建つ村営頂上宿
舎に来るとほっと一息つけるがここから山頂まではまだ一時間弱かかるので体力も限界だったら頂上
宿舎若しくはもう少し先の白馬山荘に泊まるほうが懸命だ。

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