山の雲と気象現象図鑑/目次

積乱雲 [下層雲]
積乱雲は巨大な雄大積雲がさらに発達して出来、雲底は地上から2kmほどと低いが雲頂は巻雲が出来る高さ(10km以上)
になることもあります。また雲底は暗く水平で幅が10kmに及ぶこともあるので、全体の姿を見るには遠く離れた位置
からでないとわかりません。この垂直に発達した雲の下は必ず雷雨で、雲の低い部分は主に水粒ですが高い部分は氷の
結晶で出来ています。雲頂部がカリフラワー状のしっかりした形を保っているうちはいくら大きくても積雲ですが、雲
頂部が崩れ始めた瞬間から積乱雲となります。真夏の代名詞とも言える積乱雲ですが日本海側では冬によく発達して大
雪をもたらします。稜線で積雲が現れだしたら雷音が聞こえなくても安全な場所へ移動する準備はしておきましょう。

Date:2007.8.16 Fild:長野市奇妙山上空
6時20分(左):奇妙山(1100m)から4倍以上まで上り、既に5km程の高さまで発達し、雲頂部が毛ばだち始めました。
6時30分(中):高さ6km前後に見られる高層雲が積乱雲の上部に現れ、ここで発達が止りました。
6時45分(右):夕方のため雷雨を降らすほど上空の温度が下がらないまま積乱雲は消えてしまいました。

無毛雲 Date:2007.8.16 Fild:長野市奇妙山上空
午後5時(左):雲頂部が空の天井(圏界面)でつかえたように水平になっているがまだ毛ばだっていない初期の積乱雲。
5時30分(中):隣から新しい雄大積雲が現れ、押されるように消滅していきました。
6時00分(右):新しく発達していく積雲は更に高度を上げながら雄大積雲となり積乱雲に変わっていきます。