長野県の山岳ガイド

うずきやま卯月山 (1101.6m)飯田市
 小野子集落自体標高が800m前後あり既に山の中である。辻には路傍の石仏があちこちに祀ら
れておりいかにも山村の集落を絵に描いている。山名の由来は定かではないが、沢に囲まれた尾根
筋に卯の花(うのはな)が多く咲くからであろうか。里に咲く卯の花は卯月(四月)になると咲き始め
るが、山中の卯の花、実際はウツギだが梅雨の頃にならないとその美しい花を見る事が出来ない。
しかし卯月山では広葉常緑樹のソヨゴが何故かたくさん自生しており、シーズンを問わず青緑の葉
が見られる。山頂からは遠山郷と飯田を結ぶ旧秋葉街道、小川路峠が東方間近に展望出来、西方の
眺めも悪くない。

飯田市堂平集落から春霞みの稜線を展望

卯の花には未だ早いが、春霞みの穏やかな日 ■2008.3.13

無雪期コースマップ
下伊那・竜東エリア・目次

各地点の標高

池鮒神社登山口:850m

二本大木平坦地:1013m

林道合流地: 1061m

卯月山山頂: 1102m

■登山口と山頂までの標高差:約260m


アクセス

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■駐車地:登山口広地に3台

■トイレ:県道83号沿い北田遺跡公園内


コース解説

 小野子集落、最上部の民家を過ぎると農道も終り、登山口のある広地に着く。登山道は広
地左手から山中に入って行く。数分で祠と幾つもの石碑が立ち並ぶ横に出る。参拝がてら祠
の前まで行き、中央にある石碑を見ると池鮒大明神と鮮明に記されていた。隣県愛知県知立
市で見られる「池鯉鮒大明神(ちりうだいみょうじん)」と何か関係があるのだろうか興味は尽
きない。ここで立ち木のない西方面に目を移すと、山頂より展望が良いのではと思うほど視
界が開け、天竜川沿いの飯田の街並みや中央アルプス南部の山を見ることが出来る。しばし
休憩後、先に向かおう。
 祠前広地から戻った登山道は尾根筋を行かず、止め山テープが張ってある尾根直下の斜面
を行くことになる。登山道に枝を伸ばしているソヨゴを潜りながらの緩やかな道が続く。登
山道脇に立つ一際太い赤松の高木を左に回り込んだ辺りから勾配が増し、ジグザグ道が始ま
る。ジグザグ道が終わると、ほどなく赤松とミズナラの高木が二本立つ所に辿り着く。ほぼ
中間地点で、今まで尾根斜面で狭かった空がここで広く感じられ、前方間近に卯月山稜線が
望まれるが、右側斜面は深い谷まで落ち込んでいるので注意して小休止しよう。
 草付き崩落地を二ヶ所通過し、卯月山北稜線の直下を左に巻き込むと落倉方面から上がっ
てきた林道に出会い、右手に卯月山と記された道標が立っている。道標脇を山頂に向おう。
群生はしていないが数えただけでも赤松、ヒノキ、カラマツ、五葉松、白樺の高木とソヨゴ
やヤマツツジの低木などが登山道沿いに立っている。一息で二等三角点の卯月山山頂に達す
る。山頂中央付近には親分らしいソヨゴの樹が一本あり手製の山名板が掲げてあった。

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