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仲仙寺コース
 駐車地から百メートル程で仲仙寺正面になり、登山道は山門石段前の道標を右折する。昼も薄暗い境内北
側の森の中をしばらく行くと小さな沢に出会う。沢を渡りきるとジグザグ急登が始まるが、まだこの辺りは
下草もなく歩き易い。主尾根から派生してきた枝尾根を巻くようになると腰丈ほどのササが現れ、足元を不
安にするが、三本目の枝尾根取り付きで左に屈曲すると大泉ダム方面からの登山道合流地、四合目となる。
 登山口からほぼ一時間の地点で、ここから枝尾根の南斜面をトラバース気味に五合目まで辿る。五合目か
らは勾配もきつくなり、相変わらずササ藪が道を塞いでいる。カラマツ林がコメツガとの混生林になる頃、
六合目道標がある岩塊が前方に見えてくる。山頂までのほぼ中間地点だが、ここを登りきり少し先のブナの
大木がある平坦地で休憩しよう。六合目の平坦道が終わると七合目の小ピークまで一気に登らなければなら
ないが岩ゴロとササ藪の胸突き八丁は歩幅を狭くのんびり歩こう。30分ほどで南方面の展望が開ける標高
1915mの七合目に辿り着く。
 四等三角点の小ピークには分岐道標がなく霧などで視界が悪いときは間違え易いので注意しよう。直進ル
ートは西尾根を境界線に沿って旧権兵衛街道まで下山してしまい、現在はほとんど利用されていない。経ヶ
岳山頂へは右屈曲し緩やかな坂路を鞍部へ向い、登り返すと経ヶ岳随一の展望地、八合目ピークとなる。
南北に広いピーク中央には「望郷」と刻んだ石柱が建ち、西方間近に権兵衛峠を挟んで中央アルプスが、伊
那谷を流れる天竜川の対岸南方に南アルプス、さらに八ヶ岳連峰が展望できる。山頂標高より百メートルほ
ど低いだけなので、時間的に余裕がないときは、眺望の良くない山頂まで行かずここで下山したい。
 八合目から再び緩坂になるが、鞍部付近のササは胸丈以上まで茂り、樹木に巻いてある赤テープだけが頼
りのヤブ漕ぎが強いられ、鞍部から登り返したピークが九合目となる大泉山(2252m)で、標柱には経ヶ岳ま
で40分と記されている。かって奥ノ院があった地も今はその面影もなく石仏だけが数体静かに佇んでいる。
廃道になった黒沢山からの登山ルート分岐を過ぎ、苔生した岩塊の道を登りきると、マイヅルソウやゴゼン
タチバナなど群生する平坦道となり、ほどなく経ヶ岳山頂に辿る。樹林に囲まれ眺望も良くない山頂は、信
仰の山を物語っているように幾つかの石仏と二等三角点石柱があるだけなので、しばし休憩したら往路を八
合目まで戻り、ここでのんびり休憩したほうがいいだろう。

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