長野県の山岳ガイド

やまぶきやま山吹山 (1090.0m)木曽町日義
 木曽町宮ノ越(旧日義村)の木曽川沿いにある小さな山だが、旧中仙道が山麓を通り、さらに古く
は旭将軍と呼ばれた木曽義仲(源義仲)の旧跡が数多く残る地でもある。
 山頂直下の肌地に「木」の文字が夏の夜空に浮かび上がる火祭り「らっぽしょ」は、義仲が平家追
討の旗揚げを行なったのが始まりと言われる行事で、毎年8月14日に行なわれる。
 火祭り会場となる山頂に立つと、狭まった山間の宿場街や木曽谷が展望出来る。また一時間ほど
で山頂往復が可能なため、時間に余裕があったら、山麓周辺の名所旧跡を巡っても良いだろう。

山麓の巴ヶ渕付近からの山吹山稜線(中央右の肌地がラッポショ火祭り地)

山頂に湧き出る木曽の秘水でコーヒーを沸かす ■2008.4.4

無雪期コースマップ
木曽路北部&鳥居峠周辺エリア・目次

各地点の標高

徳音寺登山口: 880m

中間ベンチ: 1000m

らっぽしょ地:1085m

山吹山山頂: 1090m

■登山口と山頂までの標高差:約210m

アクセス

 塩尻市方面から国道19号で山吹トンネルを抜け、左折権兵衛峠の「山吹」信号を直進。
500m先の十字路で「宮ノ越駅」入口案内板を右折する。JR中央線を潜ると巴ヶ淵に出る。
中央線沿いを道なりに直進するとほどなく右手に葵橋が見えてくる。右折して木曽川を渡り
徳音寺集落内に入る。徳音寺バス停に立つ「山吹山」の道標に従い、登山口の農道終点に辿る。

■駐車地:農道終点の登山口空き地に2台

■トイレ:巴ヶ淵公園内に公共トイレ(冬期間閉鎖)

■水 場:東屋展望ピークに湧き水


コース解説

 山吹山南麓を流れる木曽川は名勝「巴ヶ淵」で屈曲しているが、ここから登山口までは車で
10分とかからないので立ち寄っても良いだろう。農道終点は畑に囲まれ、農家物置小屋な
ど建ち登山口らしくない。駐車地から山中に延びる登山道の少し先の草むらに石仏が二体並
んでいる。右屈曲で小沢にかかる桟橋を渡るとヒノキ林が現れ、ターンを繰り返しながら徐
々に高度を上げて行く。ヒノキ林が疎らになり赤松林に変りはじめてくる辺りが中間付近で
道脇にベンチが一つあるので小休止しよう。
 ベンチから再び緩やかな勾配の登山道が始まる。コナラを主とする潅木林が目立つころ、
遠くから「ドドーッ」と聞きなれない音がしてくる。山頂の湧き水音である。登山道山側の枕
状露岩地前を通過し、右に大きく回り込むと稜線に出る。東西に延びる稜線は小規模ながら
非対称稜線で、"らっぽしょ"の行なわれる南側は鋭角に切れ落ち、左側はなだらかな潅木林
の斜面になっている。ほどなく崖側に沿う金網柵を過ぎると東屋の建つ小ピークに辿り着く。
 東屋の傍らには登山道途中で聞こえた湧き水が、ホースから絶え間なく出ている。ガスボ
ンベを携行していたら是非この水でコーヒーを沸かして飲んでもらいたい。山吹山山頂は東
屋ピークから稜線伝い200mほど先にある。木曽氏の烽火台だったところで、今は三層の
展望櫓が建ち、最上部に上がると木曽谷を挟む山並みと宮ノ越の集落が展望出来る。
 東屋ピークと櫓ピークの稜線鞍部辺りの下をJR中央線の山吹トンネルが通っている。下山
は別ルートがないので往路をのんびり下ろう。

見所ポイント

■巴ヶ淵
 中仙道木曽十一宿の宮ノ越宿だが現在はその面影がほとんどないが、周辺には木曽義仲に
携わる旧跡が数多く残っている。特に山吹山は巴御前(ともえごぜん)と並んで木曽義仲の愛
妾となった山吹(やまぶき)が住んでいたと伝えられている。この山吹山南麓の巴ヶ淵は木曽
川の名勝の一つで、巴御前がこの淵に大石を礫(つぶて)にして投げたことから巴ヶ淵の名が
付いた。また旗揚げ八幡宮付近一帯は木曽義仲の居住地跡と言われ、さらに南方近くには木
曽義仲の家臣、今井四郎兼平(かねひら)と樋口次郎兼光の屋敷跡と伝えられている。兼平と
兼光は巴御前の兄である。「山吹も巴もいでて田植かな」許六(きょろく)句碑が巴ヶ淵に架
かる巴橋の傍らに立っている。

長野県の山岳一覧ホーム