長野県の山岳ガイド

おおあなやま大穴山 (849m)池田町・生坂村
 北アルプス展望の里として親しまれている池田町だが、山と名の付くのは町の東端を連ねる、い
わゆる東山山系稜線にある大穴山しか見当たらない。この東山山系は大町市霊松寺山を北端に、高
瀬川と犀川の合流域まで続く。山麓には「美しい日本の歩きたくなるみち500選」の「安曇野北
アルプス展望の道」があり、その一角に大穴山も含まれている。
 登山の対象としては少々物足りなさを感じるが、田ノ入峠を起点として三角点がある大穴山主峰
と、犀川まで切れ落ちる崖脇を歩く「まま子落し」の往復コースは初心者でも楽しむことが出来る
だろう。

安曇野アートライン沿いから大穴山稜線の展望(中央鞍部に継子落しの奇峰が見える)

どうしてもはっきり見ておきたかった継子落し ■2008.3.22
色褪せた樹々の葉をしっとりさせる秋雨 ■2007.11.11

無雪期コースマップ
安曇野周辺エリア・目次

登山口までのアクセス

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■駐車地:□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

■トイレ:□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

■水 場:□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□


コース解説

 池田町ハーブセンター道の駅の駐車場から見る正面の山並みは、いかにも里山の雰囲気が漂う穏
やかな山容だ。登山口までの林道沿いに建つ住宅のほとんどが西向きに大きな窓を持ち、朝な夕な
に移りゆく北アルプスの光景を見ているのだろう。
 南北に延びる稜線鞍部に田ノ入峠がある。ここを起点に南に進むと大穴山が、北は「まま子落し」
を経て八代峠に辿る。まず北の尾根筋に向かおう。斜度40度ほどの坂路を立ち木を手がかりに20m
ほど登った尾根筋に「田之入城址」石柱がある。ここが悲話「まま子落し」の城跡で、一方向だけ
だが展望が得られる。
 尾根筋右側斜面は凄まじい崩落崖が東麓の犀川まで切れ落ちている光景は他の里山では見られな
いだろう。登山道はここから一旦稜線から外れ潅木林に入る。緩やかに続いていた登山道も、まま
子落し直前で踏み跡が絶ち切れてしまう。まま子落しへは急斜面をトラバースして下降して辿るが
ここから枝越しのまま子落しを見て往路を田ノ入峠に戻ろう。
 田ノ入峠の標高が845mなので大穴山山頂との標高差は5mに満たない。そのため登山道は終
始起伏の少ない緩やかな歩きとなる。田ノ入峠の標柱脇から散策道に入る。野鳥の声も賑やかなコ
ナラ林にツツジやヤマモミジなどの低木林が茂る緩やかな上り坂は心拍数もほとんど上がらない。
 前方にカラマツ林が現れると、ほどなく塚原古墳道標が立つ分岐地点に辿り着く。ここから山頂
までは一息の距離、山頂直下を巻きながら散策道分岐道標を右屈曲で三等三角点の大穴山山頂に達
する。狭い山頂周囲は樹木が生い茂り、どの方向も眺望はない。


各地点の標高

田ノ入峠登山口: 845m

塚原古墳分岐地: 830m

大穴山山頂:   849m

田之入城址:   855m

まま子落し展望地:800m

■登山口と山頂までの標高差:約4m


みどころ&ポイント
200万年前に出来たと言われる「土柱」は、頂に数本の松の木を残して痩せ細って立つ。池田町に
伝わる民話「ままっ子落し」によると、田之入城の山城に跡取りとして生まれた若君太郎丸、継母が
自ら産んだ子を城主にしたいと考えから、太郎丸をこの土柱から突き落としたと言う悲話。

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