シングルベース(シングルハンド) 

今回は、細部についての解説を行います。また、ワンハンドでのスタンツについても解説します。
今後、日本においてのこのスキルは急速に広がっていく可能性があります。
しかしながら、危険なスキルの一つですので、練習は集中して計画的に行いましょう。

このワンハンドは、一見すれば、とても見栄えがよく観客にの目を楽しませることができます。また、面白いことに、このスタンツは、フライヤーよりもベースに注目がいくスタンツの一つであり、ベースの花形スタンツの一つでもあります。

しかし、このスタンツは、スタンツチームが、それぞれのポジッションを確実に理解して、効率よく行わなければ成功する可能性はほとんどありません。

確かに、力であげることは可能ですが、このスタンツに関しては、力を利用したとしても、安定性を確保することはほとんど無理でしょう。
ワンハンドで最も多く行われるスタンツはリバティです。
これは、この技からさらに、スコーピオン、スケール、アラベスクと移行することが可能だからです。
また、最終的にはキューピーと呼ばれる、スキルへ達成することができます。

The Primary Base

メインベースのポジションは、フライヤーの体重を直接腕で確保できる場所に位置するようにします。腕は、肩を基盤としてまっすぐ上方にあげ、ロックしなければいけません。

ここで、注意していただきたいのは、力であげているではなく、フライヤーの確保はベースのポジションと腕のロックが、第一に大切であるということです。

言い換えれば、フライヤーの体重は、筋肉ではなく、骨によって支えるということです。このスタンツにおける大きなポイントですので、是非、覚えておいてください。

メインベースはフライヤーのコントロールのため、「ショルダーアイソレーション」と言われる技術を使います。

肩を中心として大きく拡げ、肩の筋肉を固定する技術です。これはフライヤーのバランスの確保はもちろんですが、メインベースのふらつきを抑制するためです。また、メインベースの腕、手のケガの防止のためにも必要な技術です。

写真は、手配置の近影です。メインベースはしっかりとフライヤーのシューズを確保し、セカンドベースもシューズの両端を確保し、サードベースはフライヤーを上部にあげるようにホールドして、しっかり確保しているのがわかるかと思います。


The Secondary Base

セカンドベースはこのスタンツの中で、フライヤーの踵(かかと)とつま先きを確保して、フライヤーを確保するとともに、コントロールをおこないます。
そして、フライヤーの体重を確保して、堅くロックされた脚を包み込むことも担当します。

このことから、セカンドベースの役割が、このスタンツ成功はセカンドベースにかかっているといっても過言ではありません。セカンドベースは両手で、最もフライヤーをコントロールできる位置にいるとともに、最もフライヤーの体重を確保しています。

このスタンツ中、フライヤーのバランス(体重)が変わることが起こることがあります。その際、セカンドベースは、そのバランス(体重)の加重に対して、反発する方向へフライヤーを導かなくてはいけません。
ほんの一瞬ですが、これは非常に大切なことです。また、この反発も加重に対してほんのわずかで十分です。必要以上の反発は、スタンツ全体が崩壊する原因となります。

(コーチはこれを確認・見るには、フライヤーの足首の動きを注視して、必要以上、足がひねられている場合は、注意しましょう。)

基本は、フライヤーの足を水平に保つことです。


The Back Base


バックベースの役割は、フライヤーをコントロールすることです。

これは、フライヤーの足か足首を持ち、上に上げるようにホールドすることにより、コントロールを行います。決して、下に引き込もうとしてはいけません。

常に上方にフライヤーを持ち上げる気持ちで行いましょう。これは、ほぼ全てのスタンツに共通することですが、サードベースは大抵、フライヤーを上方にアップする補助とともに、スタンツ全体のコントロールを行います。

目立つことの無いポジションですが、スタンツの成功の半分は、サードベースに係っていると言っても過言ではありません。

よく言われることですが、こうしたことから、スタンツチームのリーダーはサードスポッターが行うことが一番だとされています。

また、シングルにおいては、片方の足の下にはべースが存在しますが、もう一方の足にはベースハンドがありません。ですから、この足については、サードスポッターのホールドのみになります。

ここが非常に難しいのですが、上手く両足を平行に保つよう努力し、同時にフライヤーを見上げて、バランスを保つことができるよう調整しましょう。この調整は、ダグリング(ぶら下がっている)足を調整することにより行います。

たとえば、フライヤーが、横方向にバランスを崩しそうな時は、この足を後ろに少し引いてあげることで、バランスを保つことができるはずです。
また、通常、ダクリングフットは、もう一方の足にしっかりとつけるようにホールドしてください。


The Flyer


フライヤーが、このスタンツにおいて、最も注意すべき点は、大抵のスタンツに通じていることですが、タイトで体をシメつづけることです。

言葉でシメと言っても、まず理解できないでしょうが、極端に言えば棒になることです。(もっとわからないかもしれませんが…)自分が、棒になった感じでいましょう。(これには、経験と感覚、そして、それはこの練習方法のできるコーチから教わってください。)

シメが途中でなくなったとたんこのスタンツは失敗に終わることは明白です。 阿部 

注:練習は十分な安全対策と経験のあるコーチとともに行いましょう。見た目で練習できるスタンツではありませんので、必ず守ってください。また、基礎からじっくり段階を踏んで練習してください。

Photo by  American Cheerleader