★ フォーアーム(前腕)ポップインテクニック 

フライヤーがポップイン(乗り込み)の時、サイドベースは約30cmの間隔をあけて、フライヤーの足を堅くホールドします。そして、サイドベースは腕、脚の力を利用して(膝はスポンジの感じで。)フライヤーを上方に向かわせます。

バックベースは、はじめフライヤーの腰を持ち、サイドベースとタイミングを合わせて、上方にトスの間隔でフライヤーの上昇を支援します。 

フライヤーはサイドベースの肩をしっかりと垂直に押し、同時に脚の力を使って上方に向かいます。 この3つのポジションのタイミングが合わないと、上方に上がることができず、フライヤーの上部への移行は失敗に終わります。 

タイミングが、上手くいくと、写真のように上方に向かって、スムースなアップができます。この時、ベースは必ずフライヤーの状態を見ながら上げてください。

 また、サイドベースのタイミングはどちらかが早すぎたり、遅すぎたりしないでください。スポッターはフライヤーの安全を確保することが第一ですが、アップが始まったら、フライヤーが最も適した位置になるまで、フライヤーのバランスをとってあげることを第一に考えるようにし、しっかりホールドしてください。

  

次の段階は、フライヤーが安定するよう、どのようにコントロールを行うかということです。フライヤーの脇にいるベースはフライヤーのステップを確保しますが、フライヤーが上昇すると同時に左手を切り替えてフライヤーの足の外側になるようにして親指に力を入れホールドします。

                                   フライヤーが上昇するに従い、体重は上昇の勢いにより軽減されていきますので、その間にもう一人のベースがフライヤーの下に入り、左手を回転させながら、右手も同時にフライヤーを確保します。 

これは、フライヤーとの連携が必要で何度も練習が必要ですが、ベースがフライヤーの足の間隔を一度つかめば、スムースなセットができるようになるでしょう。

ただし、右手はサイドベースのより確保されていますので、左手に必ずフライヤーを確保できるように、神経を集中しましょう。

また、一度、ポップアップされてしまえば、左手の確保ができない場合、フライヤーが落下する恐れが高いので、スポッターをつける場合、そのことを理解したスポッターをつけることを忘れないでください。 どういったスタンツかと理解していないスポッターをつけることは、逆に練習の妨げになると同時に、スポッター自身もケガをする恐れがあります。

 十分注意してください。

 その他の安全対策にも注意してください。こうして、フライヤーがポップアップされ、写真のように上方に行ったとき、左手はしっかりホールドされています。

しかし、そのためにメインベースは、前記したような持ち方をフライヤーに対してできないと思います。 しかしながら、左手はセカンドベースによりしっかりホールドされていますので、前に記載したように、まず右手のホールドを確実にしましょう。

 そして、肩に落ちてくる間に、左手のホールドを行います。セカンドベースは、フライヤーがメインベースの肩にセットされるまでは、フライヤーの体重を支える役割です。

 

バックベース(サードベース)はフライヤーの安全確保とコントロールを行います。この役割が十分実施されれば、直線的で正確なスタンツが完成します。

 この間フライヤーは、膝のロックのタイミングを合わせ、ホールドされたときには、絶対にひざを緩めてはいけません。膝を緩めることは、バランスが崩れると同時に、自分自身を危険にさらすことになります。このようなの流れから一旦、メインベースにホールドされた後は、フライヤーはメインベースの肩にセットされるだけです。

 メインベースはそのとき、フライヤーの体重に対して十分な反発をして、なるべく肩にはゆっくり確実に下ろすようにしましょう。これができず、落下速度と同じ速度で肩に下ろした場合、手首に無駄な力がかかり、手首をいためる原因になるとともに、フライヤーのバランスを崩す元となります。

これは、急な速度で肩の位置にフライヤーを止めることは、当然手首へ急な力がかかるとともに、フライヤーも急な停止を余儀なくさせられることからもわかるでしょう。 

車に乗っていて、ゆっくりブレーキをかけたときと急ブレーキの時どちらがシートに静止していられるか考えていただいてもわかるかと思います。

確かに、バックベースがフライヤーの体重確保に協力していてくれているので、バックベースがしっかりしていれば問題ないと考える方もいるでしょうが、このスタンツでのフライヤーがポップされたときのバックベースの役割は第一にフライヤーの動きをコントロールすることです。 

このコントロールするとは体重の支援ではなく、フライヤーの体全体の直立(一般的に言うロック)を維持することです。基本的には、フライヤーが肩に達したときの体重は、メインベースが80%受け持つことになります。

  ●グランドアップのテクニック  

あなたがもし、グランドアップスタンツの経験があり成功していれば、この方法が、より、シングルハンドに適しているかもしれません。各ポジションの役割は、今まで述べてきたことを参照していただきたいのですが、手の配置等については、写真を参考にセットしてください。

 このスタンツを実行するための、はじめのモーションは一般的なプレップ(クイックアップエレベーター)のレディモーションです。フライヤーは上昇するために両側のベースを利用して、脚、腕の力を利用して、上部に上がります。

 

ポップアップのはじめにフライヤーはサイドベースの頭か肩を利用して、上に向かいながら体を直立させていきます。 サイドベースはフライヤーの体(足)が頭を通過すると同時にフライヤーの足を中心として体の下まで進み、フライヤーの足の確保を行います。

 この時、サイドベースによってフライヤーはコントロールされてはいけません。フライヤーのコントロールはあくまでも、バックベース中心に実施するようにしましょう。サイドベースがコントロールを実施しようとした場合、左右にぶれる可能性があり、また、コントロールは2人で行うよりも、一人でおこなった方が、確実です。

 これで確保が終われば、今まで記載してきた事項を、注意してスタンツを完成させます。

  今まで述べてきことを十分理解でき実行できたら、最終的な目標である、最も難しく少人数で行うトスアップの方法でのスタンツを練習してみましょう。基本的にはセカンドベース抜きのトストゥハンドですが、セットの仕方は写真の通りです。

 この状態から、セカンドベースの支持なしに、メインベースはフライヤーの確保を行います。この場合、タイミングとパワーが必要になりますが、セカンドベースによる左手の支持が無い分だけ、左手によるフライヤーの確保(手の入れ替え)が楽になりますが、先にも記載しましたが、十分なパワーが必要になります。

 また、スポッターはアップしてしまったときはフライヤーのコントロールが重要と記載しましたが、この方法の場合は、スポッターのパワーも重要なスタンツ成功の要素になります。

 このスタンツにおけるはじめのポイントはトス前における後方スポッターへの準備です。メインベースはフライヤーをしっかり確保して上方へのアップは脚と腕の力を使ってアップします。

 フライヤーはアップされるために、メインベースの脚のホールドを利用してアップされるようにします。また、フライヤーが上昇し始めると最高点に達するまではフライヤーの体重がホールド点には掛かってきませんので、その間に、フライヤーをバックベースとともに、スタンツホールドの位置に確保するようにします。

  今まで述べてきた、スタンツは日本ではまだまだポピュラーなスタンツではありませんが、シングルベーススタンツは、演技を幅広くさせるだけでなく、観客の目も楽しませることができます。

 しかしながら、シングルベースを実行するには、当然、安全対策、コーチの存在、スポッターの存在が欠かせません。また、「できる=コーチングかできる」ではありませんので、実行する前には、よく話し合い、計画を立てて練習を行いましょう。 阿部

Photo by  American Cheerleader