★失敗するのは当たり前

少し過激な題名ですが、どんなことでも始めから上手くはいきません。人生も一緒で、失敗の連続、そう簡単には成功できません。
チアリーディングにおいても同じことが言えると思います。「失敗は仕方ない。」そうした考え方をもって、成功した方が日本にいます。現在、ユニクロの会長兼CEOである柳井正氏です。

最近、「一勝九敗」(新潮社刊)といった著作をあらわしましたが、この本を元に少しお話したいと思います。現在、社会の風潮に失敗がいけない事のような風潮があり、若者達の中には、「ここで失敗したら死ぬ」と思っているものもいます。

しかし、失敗など、一大事でも何でもありません。誰でも失敗しますし、失敗を恐れていたら、新しいことは何も生まれてきません。失敗しても、最後の一回を成功させれば、それで良いのです。何回、失敗しても最後に一勝すればそれでかなわないと思います。でも、この失敗からいかに学び、それを活用するか、これが大切です。良い失敗、悪い失敗これが成功への分かれ目です。

とにかく失敗しても、その失敗を覚えていて原因がどこにあったか真剣に考えることが必要です。チアの練習でも、失敗したときどうしてダメだったと、真剣に考え、その失敗を次にどう生かすか、考えることが大切です。

しかし、これがなかなか難しく、失敗を忘れたがる人が多い気がします。けれども誰でも失敗したことは忘れたがることは当然で仕方ないですが、ただ、一度、忘れたら最後、同じミスをかならず繰り返します。

では具体的に、良い失敗と悪い失敗とはどのようなものでしょうか。

失敗から学ばず、自分や周りの環境に流されて、失敗していることがわからない失敗からは、何も身につきません。練習においても、他人にやらされているだけでは、そこから学ぶことはできません。自分に何か高い目標があり、それを実現するために考え抜いていかないと、失敗する意味は無いですし、学ぶことはできません。

つまり、、自身が失敗していることに気がついていない中からは、何も生まれてはきません。ですから、自分自身を持っていなければ、いくら、先輩やコーチから指導され、言うとおりにがんばって努力しても、技術は身についても、精神的な問題やチームメイトへの思いやりといったチアリーダーの根本的なものは身につくことはありません。

チアリーダーとしての努力と成功は別物と考えたほうが良いでしょう。

では、どうすれば良いのかとなりますが、これは、誰だって失敗はしたくありません。当たり前です。ですから、失敗する前によく考えて、行動を起こすことが大切です。

今、何を自分がしなければいけないか、何が必要か考えて、その足りないものに向かって行動を起こし、もしそれで失敗したとしても、次に成功できるよう考えることでできる失敗が良い失敗です。

ですから、練習においても、今何をしなければいけないかを、よく考えて、練習に取り組んでください。「失敗には、成功につながるヒントが数多く潜んでいる。」これを、思い練習していきましょう。

では、成功した後はどうしたら良いでしょう。

どんなことも、成功と失敗を繰り返して、最後には成功すれば、良いでしょう。

しかし、人は、成功しているときは、なかなか失敗した時のことを考えません。それは普通なことですが、成功時には失敗が始まる可能性があることを、覚えておいてください。
ダンスやスタンツにしても成功しているときは「これで、いいんだ。」と思って、それ以上何も考えません。確かに、無心で演技をおこなうことは非常に大切な要素の一つですが、失敗の原因の中に、過去の成功も含まれているのです。

ですから、チームの上層にいる方々は、常に「ひょっとしたら、この先、失敗する要素があるのではないか?」と思考していることが必要です。そうすれば、失敗する準備も整っているわけですから、すぐに修正をすることができます。失敗したときの修正が早ければ早いほど、チームへのダメージが少なくなります。

自分がやってきたことを、撤回したり、修正することは難しいことですが、自分自身のやっていること客観的に見ることができないと、本当はチームのためになりません。ただこれは、先にも言いましたが、チームで責任のある立場の人間が考えていれば良いことであり、チームのモチベーションを下げるような、失敗の話などは選手に直接してはいけません。

また、こうした考えを上手く、まわしていくためにはやはり選手の協力も必要ですので、常にチーム内外のコンセンサスは大切です。究極的には選手全員がチームコーチと同じ考えになることが、大切です。チーム員が自発的に行動出来るように考え、失敗しても、すぐに次の道に進むことのできるチームを目指しましょう。

失敗は、けっして終わりではなく、「成功へのヒント」であると考えましょう。(阿部)

(参考) 「一勝九敗」 柳井 正(ユニクロ会長)著(新潮社刊)