多くのチームの場合、選手はアドバイザーがどれだけチームにとって重要であるか理解していません。表面的には、コーチがチームに対して指導を行っているため、その周りにいるチームドクター、カウンセラー、保護者、部門担当者、その他チーム協力者は実際のチームの表面的部分に現れてこないからです。実際はこうした目に見えないアドバイザーの存在がチームのとって非常に有益なものをもたらしていることを、理解しながらチーム運営を行うべきです。ここに一般的なアドバイザーの役割を記載したいと思います。 

　アドバイザーとしての役割の第一はチームを監視することです。これは内面的な活動になりがちなチアリーディングチームの活動をより外面的な活動にさせ、全体的なチーム運営を行うために非常に重要な役割です。 

　まず、無理をしがちな選手に対して、健康状態や精神状態の状況を判断し決して無理をさせないということが大切です。1人の選手の体調不良や精神不安定の状況が選手全体に安全という面において、危険を伴わせます。ですから、アドバイザーは選手の状況に対して練習を中止させるといった権利をもち、選手に従わせなければなりません。 

　次に、チームが一つにまとまるための努力をする必要があります。たとえば、パーティを開催したり、簡単なゲームを企画しチーム全体の雰囲気を和らげる必要があります。

ただ、あまりアドバイザー主導にならず、選手の自主性も加味した企画が大切です。 

　更に、チームに対して目標を提示し、その目標に向かっての練習方法等のアドバイスも必要になります。これはコーチとの話合いの上で、実施されるべきですが、コーチは選手と接している時間が長いため、内面的な計画に走りがちになりますので、その軌道修正を行うことが必要になります。アドバイザーは常に外面的な目でチームを見つめることが重要です。 

　次に、アドバイザーとしてチームに対して従わせるべき事項を記載します。 

　まず、キャプテンに関しては、常にチームの先頭として、準備運動等のリードを任せて下さい。また、スタンツ練習中の選手の行動に対しては常に目を光らせ、遊びまわったり、無駄話に対しては、毅然とした態度で注意を与えて下さい。これは、選手の安全に直結したことですので、必ず行って下さい。 

　夏季の練習では、水分補給には十分注意し、選手の様子から目を離さないよう注意して下さい。 

　次に、実際チームが演技をするにあたっての、アドバイザーとしての注意事項を記載します。 

　まず、濡れた上での演技は絶対させてはなりません。同時に演技と観客は必ず距離を置いて下さい。これは、演技中、観客が前を歩いたりした時、選手の集中が途切れる可能性があるとともに、選手、観客とも危険だからです。 

　また、スタンツの構築は、決して観客の寸前でさせてはなりません。スタンツが崩れた時の危険性を考えれば当然のことです。そして、もしそれが、ゲーム中に起こった場合、ゲームを見ようとしている観客に対して、あまりに無配慮で危険です。 

　注）　多くの問題がありますが、基本的事項を記載しました。ここに記載してあることは、あくまでも、一般的なものとして記載してありますので、実際は各チームの状況を考えながら、行動して下さい。
この内容は絶対的なものではありませんので、こういった事もあるということで、読んで下さい。 　（阿部）