★シングルスポッター等について

スタンツの技術が進歩するにしたがい、スポットの技術も進歩しなければなりません。スタンツ中に多くのスポッターが存在することは安全対策としては非常に有効であることは間違いありませんが、一方、メンバー的に無理な場合もあり得ます。そのようなとき、1人のスポッターに安全を委ねなければいけないときもあります。

スタンツ中は各自が、それぞれの役割を担っていますが、さらに、安全の確保という役割を全てのスタンツチームの各自が担っています。しかしながら、2人でのスタンツでは、シングルスポッターに安全対策の全てが委ねられます。この場合、フライヤーの失敗を確実に確保できなければ、それをフォーローしてくれる人物が存在しないため、非常に危険な事になりますので、シングルスポッター時には、かなりの集中力が必要です。

新しい技を習得する場合、ベアハグ(bear hug)技術は、スポッターにとって大切な技術の一つになります。 スポッターの重要な役割の一つに、フライヤーの頭、首の安全性を確保することです。フライヤーが、足から先に落下する場合、ラッピング技術をしようして、フライヤーの安全性を確保します。このとき、腕の一方は、フライヤーのウェイトの正面近くに置かれ、もう一方は腰の下の方に置かれます。そして、フライヤーに対する、衝撃を和らげるため、腕と肘、膝を使って、ゆっくりとフライヤーを地面に下ろします。


フライヤーが落下するか降りる時、フライヤー自身も重要な責任を担っています。これは、物体が落下してくる場合、堅いものと柔らかいのもでは、キャッチの正確性と扱い安さは、堅い方が楽であることからも、フライヤーは、体のシメをしっかりと行うことが必要です。腕が頭上に置かれる場合、ベースは身体の中央の部分をつかむことにより、スポッターによって安全性が確保されるようになります。しかしながら、フライヤーの腕が頭上にない場合は、肘等によりベースやスポッターにケガを負わせることがありますので注意してください。したがって、トップは、それらの腕を頭上に維持するために注意を払わなければなりません。

このように、スポッターは安全責任だけを受け持つのではなく、ベースとの連携によって、フライヤーの安全を確保するとともに、フライヤーの安定性の役割も担っています。

重量分配、安定化&コントロールスタンツを学習する場合、フライヤーの安全性を確保するとともに、フライヤーの安定性確保という重要な役割を担っています。それは非常に価値あるポジションでありえます。初期のスタンツではベースとの重量配分、手の位置およびバランスが要求されます。同時に、スポッターは、フライヤーが実施するスタンツ練習の安全性と技術向上の援助を行うことになります。これは自転車の補助輪を考えると分かるのですが、スポッターはフライヤーとともにベースの技術向上を助けていて、一旦ベースがスタンツの動きをマスターできれば、自転車の補助輪と同じように、スポッターはいらなくなるスタンツもあります。

ポジション

1人のスポットに関する最も一般的な誤りのうちの1つはスタンツに関してのスポッターの位置です。これは、スポッターがフライヤーを保護するために非常に重要なことになります。
通常は考えられないような位置でのスポットを行うスタンツもありますが、最も一般的な位置はベースの脇に位置することです。ベースに対して正面を向くことにより、フライヤーの行動をしっかりと注視し、同時に人間は、下がるよりも前に出る方が、早く行動できるので、一歩ほど、ベースからは離れ、スタンツを見ることが大切です。また、基本的には、崩れそうな場合は、ベースの手を確保し、支持を行いますが、フライヤーが落下しそうなときは、フライヤーの首、頭の確保を第一に考え、スポットを実施します。ただし、適切なスポットが行われないと、スタンツが逆に崩れる恐れがありますので、腕等で支持をする場合の、力の入れ方には、十分注意してください。

なお、スポッターの練習に関しても、コーチ等の指導を受け、充分注意して実施してください。スポッターは、見た目は非常に地味ですが、非常にスタンツに関しては重要な役割を担っていると同時に、大抵は、スタンツチームのリーダーとなるべきものであるか、コーチとして充分な知識のある人物がなるべきものです。特に、最後のポジションの取り方と力の加え方については、知識が無いと、スポッター自身もケガをする可能性があります。これを読んだだけでは、決して、スポッターはできないことを、御理解ください。

阿部