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スポッティングの位置と動きの研究


スタンツ中のスポット(バックベース)はもちろんの事、スタンツの周辺で補助に入る場合のスポッターにおいても
同じで、近すぎず、離れすぎず、あらゆる状況変化にすぐに反応出来るようにしておくべきです。

いわゆるスポッター(バックベースとジェネラルスポッター)はトップパーソンをキャッチする際の
その「立ち位置」と「動作」が自身と周りの人の安全を守る為に非常に重要です。

ここでは動作と注意点がとても似ている野球の「フライのキャッチ」を例にとって考えてみます。

 野球の場合は、打者が打つ→反応する→落下地点を見計る→捕球する
という流れですが、打者が打ったボールが落ちてくるまで時間があるので、チアリーディングとは大きく違いますが、
逆に考えると落下地点がはじめからある程度分かっているので、むしろ野球よりも距離感はつかみやすいと言えます。

 しかし野球よりも距離感がつかみやすいとは言っても、トップパーソンはディスマウントの形や高さによって
多少の空中移動(流れ)が発生します。その原因はその都度、ベースパーソンのさばき方やミドルパーソンの送り方、
またトップパーソンの視線のズレなどで変わってきますが、スポッターはその様々な状況に反応しなくてはいけません。

■野球において
○フライは、自分の頭のやや前で捕球する
 フライは、ゴロのようにイレギュラーこそしませんが、バッターによって左右へきれたり、ドライブがかかったり、グーン
と伸びてきたりするので、それなりに捕りにくいのです。

 まずフライが上がったら、いちはやく落下地点に入ります。が、落下地点の真下で構えて打球を待つのは
間違いです。落下地点に行ったら打球が落ちてくるであろうと予測した箇所から2〜3歩後ろで待ちます。

いよいよボールが落ちてきたら、2〜3歩前に出て、自分の顔よりやや前で捕球します。
 この時、右利きの人は左足、左利きの人は右足を送球方向へ向けるようにすると、捕球→送球がスムーズに
いきます。
 グラブを上にかざして走ったり、落下地点の真下で、ずっとグラブを構えて待っていたりするのは、
いわゆる「バンザイ」のもとになります。
 落下地点に入ったら、ボールが落ちてくるまで、肩の力を抜き、膝を柔らかくして、グラブも楽に下げたままで、目だけ
でフライをとらえます。グラブを構えるのは、2〜3歩前に出ながらの時でよいです。



■チアリーディングにおいて
○真下に入ると危険 
 パートナースタンツにおいてスポッター(バックベース)はトップの真下に入り込んでしまうと、トップの脚で死角を作って
しまい、トップの動きや様子を観察できなくなってしまいます。と、いうことは状況に応じて対応できなくなってしまうという
ことです。

 また、真下に入ってしまうとトップをキャッチする際にトップの脇に腕を入れることが困難になります。(下図右)

         
×                    ○                危険


              

 野球の場合と同じで、後ろに下がりながらキャッチするのは転倒しやすくなり、さらに他人の体重が掛かってくるので
非常に危険です。
 また、スタンツやピラミッドを周囲で補助するスポッターは、トップにばかり注意を払い、無防備なバンザイをして待機
していてはいけません。ピラミッドやスタンツではトップの落下を補助することも大切ですが、落下や崩れを未然に防ぐ
ことが、もっと重要になってきます。ベースパーソンの体勢や腕の支持を補助することによって崩れや落下をかなり予
防できます。

 つまり「無防備なバンザイ」の何がいけないかというと、トップだけを見て、バンザイをしていると、自分の腕によってベ
ースが死角となり、状況変化に気付かなくなります。さらに、野球の場合と同じで、スポッターの動きが悪いとトップパー
ソンがスポッターの上を通過してしまうということも起こりえます。(下図)

 落下位置の予測は、スタンツの動きの経過によって変わってきます。
スタンツや選手の癖を理解している指導者の指示に従い学習することが非常に大切です。

  ←このボールが人間だったら・・・・

■野球とスポッティングの相違点
 野球の動きと、スポッティングの動きとの類似点を考慮して、実際はどのように違うかを表にすると

野球             
スポッティング
2〜3歩後ろで待つ
 いつでもすぐに一歩の踏み出しで移動できる位置で待つ 
グラブは下げておく
自分の動きや周りの妨げにならないようにしながら
いつでもすぐにスポッティング出来る構えをする
野球でもスポッティングでも足による機動力が大切です。


いフライは、とにかく落下地点に入り、打球から絶対に目をそらさない事。眉間の位置にボールをとらえるとよい。
 また風によって前後左右へ流されることも多いので、全身の力を抜き、膝を柔らかくして、どの方向へでも素早く動け
るようにしておくことを忘れてはならない。

この上の図とその解説を見ると、どこかで見覚えがありませんか?
競技会の専任スポッターの方はこのような動きをしています。とても効率がよいということです。

       

 スポットする位置、動きは状況(動き・体格など)に応じて調整されるもので、基本さえ理解していれば必ずしも一つに
限定されるものではないということです。
 例えばエレベーターの足首を持つか太腿を支えるかの論議にも言えることです。

 その選手の技能レベルや技の展開によって変化していくものであり、コーチはその動きの理由を選手に理解させなけ
れば、落下事故や怪我は繰り返されるでしょう。この技をするときは、どのような危険の可能性があり、どのように失敗
する傾向にあるかを的確に指導しなくては、正しい指導とは言えないでしょう。

 選手はそれを理解したならば、普段の練習の中で常に考えながら実践していけば、あなたとそのチームは怪我や事
故が減り、技術レベルが確実に上がるでしょう。

  参考文献・写真 : 西東社「BEST SPORTS SERIES 1 野球」 黒江透修 著
  AMERICAN CHEERLEADING MAGAZINE

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